studio Odyssey




スタジオ日誌

日誌的なもの

2012.05.12

1/2の騎士読了

Written by
しゃちょ
Category
雑記

 初野晴の、1/2の騎士、読了。

 面白かった。

 そもそも、これを読むきっかけになったのは、氷菓の話をチャットでしていた時の話になるのだが、えるたん可愛いよ、えるたんとのたまっていた僕と、えるたん可愛いよ、えるたんと言っていた者らに対して、氷菓の原作っておもしれーの?という問いかけから始まった。

 まぁ、これに関してはここで書くと、アレがコレでアーッなので、書かないのだが、まぁ、ぶっちゃけ、僕はミステリっていうジャンルは、できる限り近づかないようにしているんだよね。なんでかっていうと、僕の中でミステリファンっていうのは怖いイメージがあって、こんなんミステリじゃない!って言いそうだから。彼らからしてみれば、日常の謎系のものはミステリではないと思ってるの。だから、古典部シリーズとか、ミステリじゃないと思って読む分にはいいと思うんだけど、じゃあ、今時、そうでないミステリってなんだよって話になって、まぁ、僕は別にミステリ好きではないし、本格ミステリなんて、もうないという結論でもいいんだけどね。

 おっと話がとっちらかった。

 そんな話の中で、初野晴の話が出てきて、読んだことなかったので、何がいいかね、という話で、これをおすすめされた。

 そんなわけで、続きはネタバレ含まないつもりだけど、含むかもしれないので、それでもいいやって人だけ。

 日常の謎は、ミステリじゃねーよ、派なので、これもミステリじゃないよ。ライトノベル。そう言う心構えが大前提ね。松岡圭祐のQシリーズとかも好きだけど、あれも人の死なないミステリって言ってるけど、ミステリじゃねーよ、ライトノベル。じゃあ、お前の言うミステリってなんだよって言われると困っちゃうんだけどさ。えーと、なんかすごいやつ。

 ともあれ、1/2の騎士は、講談社文庫で読んだ。えーと、内容はそうだなぁ、なんて言ったらいいかなぁ...ああ、これ、解説がいいんだ。解説が、とてもよい解説をしてくれているので、解説読んで。(解説は杉江松恋)ネタバレないから平気。

 ストーリーは、マドカという主人公と、サファイヤというサブ主人公とで進んでいく。形式時には、ホームズワトスンスタイル。推理する人は主人公ではない。まぁ、でも、諸般の事情から、マドカが解決には動くんだけどね。

 オムニバスではないけれど、それに近い形式で、後日談も含めて、全5部。ひとつひとつのヴォリュームもまぁ、あって、読み応えがある。文庫で全670ページ。多いか?多いか。でも一気読みしちゃえるスピード感だ。

 これ、もしかするとネタバレだけど、この本、最初の書き出しが50ページくらいあって、その後に目次が続く。これ、すごい格好いい。アバンタイトル!これからストーリー始まる!みたいな興奮がある。最も、その50ページでキャラクターがたっていって引き込まれるので、格好良さがさらに際立つのだと思うけど。

 一応、謎解きものなので、トリックとか、謎そのものの難易度的にいうと、そんなに高くないと思う。もりのさるは、謎解きではなくて、キャラクター紹介的な色合いが濃いけど。ドッグキラーはちょっと気づけなかった。ただ、これが最初の2つなので、癖がつかめれば、他のやつはわくわく妄想しながら読める。卑怯な手段はないと思う。というより、この作品はミステリというより、キャラクターものなので、キャラクターを読む方が楽しいと思う。んでもって、キャラクターの相関がからまりあって、ラストまで、ちゃんとみんなが生き生きと描かれるのがすごくよい。舞台は東北のとある町の中だけで進むんだけど、この、箱庭感もいい。あんまり舞台を広げすぎない所が、キャラクターの成長物語としての側面も、よく描き出していると思う。

 タイトル、1/2の騎士というのも、いいタイトルだと思う。作品のテーマとも合っていると思う。ミステリは、読み手に対して、知識を求める所も多いとは思うけれど、この作品も例外なくそうで、このタイトルについて、直接語られる所はないが、なかなかどうして、秀逸なタイトルだ。1/2という所もいいし、騎士というのも、茶目っ気がある。まぁ、ここは読み手が各々で想像する部分なので、それぞれでタイトルについては妄想してもらいたい。

 ともあれ、作品としては、とても読み応えもあるし、しっかりしていると思う。1クールでアニメ化するなら、氷菓よりこっちが見たいなぁと思うくらいに。っつても、どこの枠でやればいいんだっていう話はあるけど。あう枠ねぇよ。あ、あと、ラストももうちょっと盛り上げないと、アニメとしては辛いか。

 退出ゲームも買ってみた。まだ読み途中だけど、この人の文体は結構好きかも。後付けされる無駄な一言が。うわーんとか。あ、一人称です。


トラックバックURL

http://blog.studio-odyssey.net/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/778


コメントする