※このあとがきは、勇者ちゃんの最終回を書き上げ後に書いたもので、未公開のままにしていたものを、あえて半年経ったあとに掲載したものです。
あのですねー、Twitterをですね、やっているんですね。2015年の2月からだったかな? なので、Twitterの方が、このあとがきよりも先にいろいろ呟いちゃっているんですけど、あれは流れてしまうので、あとがきにもちゃんと書いておくんですけどね。
あれですよ、このあとがきを書くに当たってね、そういや、あとがき書くのもずいぶん久しぶりだなぁ、どれくらいぶりだろうって調べたんですけど、俺、完結済みの長編の後書き書くの、2003年末くらいに終わった、2nd Mill以来なのな。二十年ぶりだってよ。
ばっかじゃねぇの!? 思わず笑ってしまうわ!
そんなわけで、とっても久しぶりなあとがきです。
いや、長編じゃないならSW 200xで書いてるし! 2007年に! いやいや、それ、十五年とか前だから。生まれた子、高校生だからね。やばすぎて死ぬ。俺の心が。
そもそもですね、勇者ちゃん自体、五年も連載したわけなんで、それなりに期間が空いているのはしょうがないんですけど、その辺りの事を差し引いてもまあ、大分久しぶりですよね。
一応、この辺りの空白期間の話は全然していないので、記録として、このあとがきにこの辺りの話を書いておこうと思います。
そもそもこの勇者ちゃんシリーズは、連載をするつもりなんて毛頭なくて、当時やっていたスケッチシリーズという、勇者ちゃんでいう一話分かそれより短い短編くらいのサイズのお話を、てろてろと思いつくままに書く、という企画ものの一部だったんですよね。で、そのテスト的な書き方のアプローチのひとつとして、「最初から最後まで、映画の予告みたいな感じでカットシーンだけを繋げて書いたら、なんかそれっぽいストーリーがあるみたいな、中編の割には満足感が得られるような奴が書けるんじゃね?」みたいな、そんな打算で書いてみたテストが始まりなんですよね。
まんまと騙されましたね。俺が。
気づいたらその一話に書いたシーンを追っかけて五年。全二十話で、長編サイズになっちゃってました。やべぇなこりゃ。
そんでもって、話はまたこのスケッチシリーズに戻るんですが、このスケッチシリーズというのはですね、そもそもなんでこんなの書いていたのかというと、これ、僕のリハビリの一環だったんですよ。
先にも書きましたけど、書き下ろしの長編で言ったら、勇者ちゃん、完結の時点で二十年ぶりなんですよ。スケッチシリーズの最初が2015年なので、最後の書き下ろしのあとがきから、スケッチシリーズの開始まででも、約八年。小学生、卒業しちゃうレベル。中学生、大学行ってエンジョイしちゃってるレベル。マジか。マジだ。やべぇ。
あのですね、これね、実は、未完結未公開の作品が、この間にあるんです。
未公開というのはちょっと違うか。一部では公開されたんですけど、biosっていうですね、近未来SFのお話がですね、この間にあるんです。
まー、知っている人はほとんどいないと思うんですけど、これ、同人誌で出したんです。元々はゲーム作ろうっていう企画で動き出して、設定とプログラムのモック、キャラクターデザイン、中盤までのシナリオプロットまで作ったんですけどね。まあ、うまくいかなくてね。頓挫しちゃった。
で、そのシナリオプロットを元に書いた、bios ce qui arriveって同人誌があったんですよ。これ、実はくずせんのサイトにも載ってなくて(bios concept bookの後なんですよ)、50ページくらいあったかな? この中に書き下ろしの1話、2話だけが公開されているんです。(話数換算は勇者ちゃん換算と同じくらいです。ちなみにこの本だけは僕が全部編集をしているので、やりたい事を全部詰め込んだ全部盛りになっていまして、本自体の個人的満足度は非常に高いものになっています。現在は入手できませんが)
やー、これがね。あれでね。
実際は二十三話まであります。
誰も見たことのない、勇者ちゃんと同じくらいの分量のものが、あります。
未完で! しかも小説じゃなくて、シナリオ形式で!(もともとゲーム用なので、小説形式じゃないんですね)
なんだろうなー、十年くらいやっていたんですよね、これ。
いやー、馬鹿だなぁ。
本当に。マジで。
今ならもう、確実に言えますね。みんなはね、マネしちゃダメ。三ヶ月とか半年とか、こねくり回して無理だなって思ったら、エタらせちゃって次に行ったほうがいい。できないものはできないよ。やめちまえ。
悪化するとね、思うから。
もうダメだな。もう書けないな。とか、そう思って、すげーヤバイパターンだと、創作そのものをやめちゃおうかなってなるよ。マジで。
それが僕の、2014年頃。
それでね、僕はね、ああ、もう無理なのかなってなってさ。いや、別に僕は好きで書いているだけだし、別に読んでくれる人がそんなにいるわけでもないし、僕が創作をしなくなったからと言って、別に誰が困るわけでもないしさ。もう、やめちゃうかな……ってなってさ。
ただまあ、それでも物語を作るっていう行為そのものは、好きだったんだろうね。何かを作りたいと思う気持ちは、押さえられなかったんだろうね。本当にもう、書けなくなっちゃったのかなって、じゃあ、試しに初心に戻って、短編からやり直してみようかな、と。
そうして始まったのが、このスケッチシリーズなんです。
最初はもう、本当にワンシーンを書いてみるだけの、本当のリハビリ。
それから、biosを書いていた時に構想だけしていた話のサイドストーリー的なものとか、思いつきで書いてみたりとか、ちょっといけそうだなってなったら、完全新規ではなくて、途中で止まっていた企画ものなんかを焼き直してみたりして……で、なんとなく、あ、まだ書けるかも知れないな……なんてなって……
そして、ひとりふたりっていう、そんなレベルだけどね、まってましたよとか、これだよコレみたいな事を言ってもらってさ。ああ、やっぱり俺、なんかちゃんと書きてぇなってなって、じゃあ、書くならなんだろうなってなってさ。
2017年に、子どもがね、生まれたんですよ。
なんで突然そんな話? とか、思うかい?
いや、俺の事をすっげー昔から知っている人なら、それだけでピンとくると思うんだよね。僕の創作の原動力は、ジュブナイルなんだ。僕は結局のところ、僕が僕の子どもに読んでもらいたいと思うようなもの、が、創作の原動力になっているんだ。ほら、R‐0のあとがきに書いてあるだろ? 茶化してあるけどさ。でも、俺は四半世紀前から、何も変わってはいないんだ。
そんな事を考えていた時にだ。biosはさ、違うなってなって、じゃあ僕が今、読んでもらいたいものって何だろうなってなったときに、ああ、俺は、これを書いておかなきゃならないんじゃないか? って、思ったんだ。
スケッチシリーズに、「ヒーローズってのもありかもしれん」というエントリーがあるんだけど、あれ。アレはさ、子どもが生まれる前に書いたものだけど、そんな事を考えながら読み返していた時に、ああ、やっぱりこれは、書いておかなきゃならないんじゃないか、って。そしてそれは、僕にしか書けないんじゃないか、って。
たいした人数はいないだろうけどさ、studio Odysseyのファンのみんなに。
あの時、いつの間にか集まってはしゃいでいたみんなに。
未来に残して、僕が、伝えたいもの。
ああ、これを書こう。これを、書きたい。と思ったんだよね。
で、じゃあ、どんな風にそれを表現しようかなって考えて、うーん、でも、そんなに長い話は書ききれないかもしれないしなぁ……書きたいという気持ちだけで、完結までいけるかわからないしなぁ……とりあえず、スケッチでやってみて、全体の青写真を書いてみて……まぁ、ダメならエイプリルフールネタにでもして、お茶を濁すとして……えー?
それが、2018年4月1日の、「勇者ちゃん、旅立つ!」です。
はっはー!
マジだ。
そもそもこれ、本気で連載しようとか思ってなかったしな。だってさー、見てみてよ。書き出しなんか、ドラクエですよ。IIIですよ。何も考えてないよ。
まあ、それでも三話くらいなら書けるかな? まあ、書けなくても一話でラストまで書いてるしな! 別にいいだろ! みたいな。逆にそれくらいの感じだったのが良かったのか、いやいやそうじゃねぇだろう。どう考えてもこのキャラクターたちの所為だろうとか、もうなんか、多分、いろんな要因。
なんだかんだで、五年。
二十話。
完結しました。
マジかー。マジだー。もう、なんなんだろうな。
ありがとう! いや、誰に? いや、もう、みんなに。
今回は、スペシャルサンクスとかやんないです。できないもん。だって、多すぎるもん。本編でも、一話の中で最大六十人とか出てくる回があるんだもん。それにみんな名前が付いているからね。MMO RPGだからね。当然、そのキャラクターにはみんな、中の人がいるからね。
それに連載中に読んでくれた人とか、そもそもの原動力になってくれた人とか、もうみんな。いや、この先何かの拍子でこれを読んでくれた君もだ!
もう、みんなまとめてだ!
勇者ちゃんは、正直、本当に楽しく書けました。
まあ、何回かはつまったところもあったし、この後、改稿版とかも作ろうかなと思っていたりはするけれど(設定周りを煮詰めずに書き出しているので、整合性がとれていない部分とかがあるため、その辺りを直したい)、それでも最初の原動力となった、僕が書きたいと思ったものは、もれなく詰め込めたなと、そう思います。
ラストシーンの勇者ちゃんの台詞は、物語全体を通して伝えたかったことです。直接的にここまで書いちゃうかー? とか悩んだところもありましたけれど、まあでも、これはこの物語を通して伝えたかったことだし、いいや書いちゃえーって、書きました。
どこかの台詞の何かでも、刺さる言葉があってくれたらいいなと思います。
あ、ちなみにこれはもう、絶対に通じないだろうなと思っていて、別にいっかと思っている事なんでここに書いちゃうんですけど、ラストシーンというか、最後の一連のシーンですが、あれはゲーム終了後です。あの一連のシーンは、動画配信サイトにアップロードされた動画という設定です。絶対通じないと思っていますし、別に通じなくても話は通るのでどうでもいいやーと思っているんですけど、あれはそういうシーンです。根性版のFF14のラストムービーみたいな、そんなイメージ。
まあ、勇者ちゃんの、VRMMO RPGの登場人物(言うなればNPC)の視点からプレイヤーたちとの冒険を描くというスタイルは、これをやるためだったり、高地高原の夜のシーンのエル様の台詞をやるためのギミックだったりするんですが、まー、あとは日和った? 三人称より楽だしね、一人称。
とはいえ、書き始めの時点ではここまでうまく出来るとは思っていませんでした。ぼんやりと、こういうことがしてぇなぁとは考えていたんですけど、勇者ちゃんは、結果的に全てがうまくはまって、いやもう、すげぇなこいつら。
勇者ちゃんは、キャラクター達に助けられたところが非常に大きかったと思います。そりゃそうですよね、スターシステムじゃないですけど、これ、わかる人にはわかりますもんね、元になっているキャラクター。ってか、そいつら、単体でも主役級だしな。
すみません、どっかで見たことあるような人たちで、すみません。
でもさ。
みんなが読みたかったのは、これだろー!?
さて。
今回のあとがきはスペシャルサンクスはしねーよと言ったので、しないよ?
書き出したらそれだけで何ページになるんだよってなるからね。なので、締めの言葉と同じに、いっきに一言にまとめようと思います。
みんな、ありがとう!
僕は楽しかった!
だから、みんなにも楽しんでもらえたのなら、それは最高だと思う。
それではまた、次の作品のあとがきで、お会いしましょう。
きっとね。
2023/04/02 最終回公開後、日付跨いで
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