studio Odyssey



スタジオ日誌

日誌的なもの

 セントラルキャビティの最奥。
 魔力の塔の中心を一番下まで降りたところには、淡く光る不思議な文様が描かれている。
 生きている魔力の塔の蒼い光の中で、私はうっすらと目を開けた。
 ええっと──どういう状況だったっけな?
 覚醒はしたものの、一旦目を閉じ、状況を整理する。
 あの後、「で、このお父様を我々はどうしたらよいのだ?」などと言うアルさんに、「しりませんがな」と異口同音に返したレイさん、ネリさん。「とりあえず、パーティには入れないでしょうね」「NPCとして作られていませんから、そもそもステータスがありません」「これはお帰りいただくしか~」と、最終的にはエルさんの提案によって私の鍵石を渡し、父にはルーフローラへと戻ってもらったと記憶している。「親子の再会なのに、なんもナシでいいのか?」「いや、お互い、何を話したらいいのかわかんないし……」「いろんな意味で深い台詞だな」「主に貴方の所為ですが?」
 そして気を取り直し、私達はセントラルキャビティを下へ下へと降りていったのだが──その後、最奥にたどり着いた辺りで、何故か私は強い眠気に襲われてしまったのだった。
 そして──記憶がない。
「おや、アルさん、早いですね」
 と、レイさんの声が聞こえてきた。

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