studio Odyssey




スタジオ日誌

日誌的なもの

2012.05.17

初恋ソムリエ 読了

Written by
しゃちょ

 初野晴の「初恋ソムリエ」読み終わった。

 面白かった。

 表題作のこの話のラストは、僕は、これでいいと思う。むしろ、これがいいと思う。もともと、このシリーズは等身大の高校生ものだと思うし、その中で、キャラクターたちがこの先、どう成長していくかっていうのも、一つのポイントだと思うからね。

 どこか、このシリーズ、というか、初野晴という人の作品は、ジュブナイルな部分があると思う。そうであるからこそ、この話はここで幕引きでいいんじゃないかと思うわけだ。だって、この先の話は、ジュブナイルのターゲットである人たちが、自分たちで調べて、知って欲しいと思うもの。それがいいか悪いかは、わからないけれどね。少なくとも僕は、英雄的だとは思わないしね。まぁ、それはたぶん、この世代の人たちはおんなじように感じているんだと思う。氷菓もそうだし。

 そんなわけで、ネタバレを含まないつもりだけど、核心に迫る内容があるかもしれないので、覚悟のある人だけ。

 氷菓って、今アニメしてるじゃないですか。

 あれ、アニメしてるんだけど、大丈夫かなぁと思うんだよね。アニメのターゲットの人たちがどの世代か、僕にはまったくわからないんだけど、1967-1972年っていって、あー、ってなる世代なのかね。わかんない。

 僕は78年生まれなので、氷菓の作者の人と年齢近い。初野晴は、72年らしいから、まぁ、世代的にはそんなに遠くない。つうか、この世代の人たちは、たぶん、一回は、67-72年の話には手を出したくなると思うんだ。わかんないけど、たぶん。

 失われた十年に青春していた世代は、どうしても、そこにあこがれみたいなものを抱いちゃうと思うんだよね。まぁ、だからといって、僕らはたぶんノンポリなんだけど。

 まぁ、今は失われた二十年とか言ったりもするみたいだけど、僕らはじゃあ、人生の半分以上は失われているんですか?もしかしたら、一生失われたままですか?僕たちなんて、存在しなかったとイコールなんですかね?っていうか、失われた十年だの二十年だの、僕らは本当に、なんのために生きているんだろう!今、ここに、生きているのに!

 っていうのがね、心のどこかにあるんだと思う。まぁ、でも、ぶっちゃけ、そうは思うけれど、ノンポリなんでー。たぶん、みんなわかってるんでー。そしてそれが、英雄的な事ではないともわかってるんでー。でも、たぶん、葛藤。

 うまく伝えられない。伝えられないから、伝えたい事を書く。

 二つの作品は、アプローチは違うけれど、根底には同じものが流れているように、僕には感じられるのね。二つは、たぶんどっちもジュブナイルで、伝えたい事は同じなんだと思う。ただ、僕としては、氷菓よりも、初恋ソムリエのアプローチの方が好きだ。もっとも、テーマに対して1冊丸ごと使っている氷菓と比べてはいけないとも思うけれど。そして、決して、どっちがいいとか悪いとか、そういうことではない。僕は、好みとしか言っていない。

 まぁ、何にせよ、この人の文体はとても気に入ったので、今後も買っていこうと思う。でも、この続き、ハードカバーしかねえんだよなぁ。ハードカバーなんて、もう数年以上買ってねぇんだよなぁ。どうしようかなぁ...でも、お布施は大事。お布施は大事。大事なことは二回言う。お布施は大事。三回目。

 れっつアマゾン!

 ちなみに、「なんのために生きているんだろう!」の文の後、最初に書いた文を書き直した。ネタバレになっちゃう!まだアニメ楽しみに見てる人いるもん!えるたんのおにぎりくたいたいれす。


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