studio Odyssey




スタジオ日誌

日誌的なもの

2010.07.23

「夏」

Written by
しゅーほ
Category
時事
雑記

 暑いですね。猛暑ですね。でも今日は日中の暑い時間は電車の中だったり、劇場の中だったりでさほど暑さは感じませんでした。

 劇場です。劇団四季の新しい劇場、四季劇場「夏」。こけら落とし公演のミュージカル「美女と野獣」を観てきました。

 前に観たのは12年前。初めて観たミュージカルでもあってそれなりに思い入れがあります。以下、ネタバレ的な感想。

 ネタバレといっても、ストーリー自体は有名なものだし、アニメとほぼ同じですが。何曲か追加されていますので、そのあたりは違いましょうが。アニメだと雪合戦したりしてましたが、そういえばそのシーンはないです。ミュージカル版。なんにしろ、大筋に変わりはありません。

 あれです。野獣はかわいいですね。最初は怒る吠える脅すと癇癪三拍子のそろった駄目な人でしたが、ベルとの関わりの中で不器用だけど素直な男に変わっていくのです。思春期の少年のようです。本を読んだことがないとか、字がわからないとかって言えるところがうらやましい。あれはポイント高かったはず。あとベルがいなくなったときの落ち込みっぷりが酷いのが良いです。周囲にも支えられていますね。威厳のないご主人になっていますが、あれはあれで召使いたちの愛情表現なのでしょう。

 あとはガストンですね。なんといっても。デザイン的にエルヴィス・プレスリーがモチーフだとかで、納得のかっこよさです。ベルからは「粗野で頭が空っぽ」と評されますし、頭を使ったと思ったらモリースをはめてベルと結婚しようという悪巧みですから、まー仕方ないと言えばないですが。あと登場時に鉄砲使ってるのに矢筒を背負っていて、なぜか弓を持っていないというステキなスタイルでしたが。でもある意味作中で一番掘り下げられたキャラクターだとも思うのです。押しが強くて自信家、プライドは高いけど一度振られたくらいじゃめげない。町の人からは人気者で男女問わず慕われている。腕利きの狩人で酒場にはハンティングシンボルがいくつもあったり、腕力に自信もあるけどきちんと鍛えてもいる。まぁ、発明家のおっさんが「野獣が~!」とか血相を変えて入ってきたときに、正気だと思う方が無理というものです。あと野獣への嫉妬から住人を煽ってお城へ攻め込む扇動者ぶりや、無抵抗の野獣をいたぶる卑怯者っぷりもさすがです。最初から最後までひたすら自分に忠実で、そして結構あっさり死ぬ。実に使い勝手の良いキャラクターだなと思います。私、あの町の人間だったらモリースやベルの言うことよりガストンについて行っちゃうな。きっと。

 ほかに印象的だったのは、客席に子どもの姿が多かったことですね。この前観たアイーダと比べると明らかに多い。サウンドオブミュージックなんかと比べても多いんじゃないかな。印象的に女6男3子ども1くらいの割合でした。「ビー・アワー・ゲスト」の後で野獣がベルのために食事を持って行ってあげるんですが、そこでベルの部屋のドアをノックした野獣に対して客席から「いないよー」と声がかかるのは、実に子どもの観客らしくておもしろかったです。予想外の所からジャブが飛んできた感が。

 何にしても、良い作品ですね。感動的です。ビー・アワー・ゲストでなぜか涙が出ました。何を感じたのか自分の中でも謎ですが。


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